怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

大きく巻き戻すアベノミクスで試練の黒田日銀

えー、残念ながら、当方は死んではいませんでしたよ。
モロモロ所用などがあったり、自分の腰が定まらないとか(ギックリ腰ではないですよ、笑)、迷いみたいなのがあったりとかで、書けなくなっておりました。少し前にも言いましたが、スランプというか、ちょっとした沼に嵌ったような感じですかね。
で、久しぶりに書いてみます。



日本の株式市場の混乱ぶりは、目を覆わんばかりの惨状ですね。
ここまで乱高下を繰り返すとなると、一体全体何が行われているんだろう、と疑念がわいてきますわな。何というか、素人衆から金を巻き上げるシステムでも考え出されたのだろうか、とさえ思えますね。


まず、日銀の対応という点についてですが、株式市場の乱高下を金融政策でどうにかできるというものでもありませんので、とりあえずは静観するよりありませんでしょうね。黒田総裁の「政策を変更しない」という路線は、当面維持するよりないと思います。

大体、たった2か月やそこらで、そんなに経済環境が激変するということを妄信する方がどうかしているとしか思えませんものね。政策効果を見て行くのは、もっと先の話でしょう。


マネタリーベース増加、マネーストックの増加に伴い(データ的には順調に増加してきている)、貸出残高は増えていたし、貸出平均約定金利の低下トレンドも維持されてきたので、金融緩和効果は「目に見えてあった」と認識しています。ここ最近、よく批判されていたのが「長期金利が上昇している」というものがありましたが、これは当然の経過と捉えるべきでしょう。
国債金利が上昇しつつ、貸出残高増加と約定金利低下が同時に起こってきたということは、それだけ「借入需要が増えた→貸出増」に繋がった、ということであり、借り手側の金利低下が達成されてきたということも緩和効果と見るべきでしょう。国債離れは当初の予想通りの反応であると見ています。今後も借入需要が継続してゆけば、いずれは貸出金利上昇圧力として作用しますから(これまでは貸出金利は低下トレンドのままです)、やっぱり金利上昇という状態が観察されれることとなるはずです。それがすなわちゼロ金利からの脱却、名目金利の上昇、インフレ率上昇といった指標面での変化が出てくるものと思います。


国債指標金利が底を打って上昇に転じたのは、借入需要増大(ひいてはM2やM3増加)の結果であると見れば、まあ割と普通の反応ではないかということです。


ここまでの経済状況を見れば、金融政策を急に変更すべきとは思いません。むしろ、当初の効果の見極めをするという点において、もうちょっと待つべきであろう、としか思えませんね。


次に、株価急落というのをどう考えるか、ですね。
これは、あまりに「期待先行」の度が過ぎたものかもしれない、と思えば、「うなぎ上り」トレンドというのが投機的行動の結果出たものである、ということです。それが元の水準に復帰する過程として考えると、そう不思議なことでもないでしょう。


株価とは何でしょうか?
企業価値の「価格」というようなことですよね?
企業業績の変化がまだはっきりしてもいないうちから、何故か株価が何倍にも上がったりしてきた、ということの方が、不思議だとは思いませんか?


意図的に釣り上げが演出されて、その効果が剥落してきたものである、と捉えるならば、9000円前後だった株価が12000円くらいに値上がりしたものである、ということであると、まあ、そんなもんかな、と思うのではないでしょうか?
これが、15000円だったのが13000円まで暴落した、と見ることで、なんだなんだ、と騒ぎたくなる気持ちにもなるでしょうが、元々が何の裏付けもない価格上昇であったのなら、空騒ぎが消沈したんだな、ということでよいのではないでしょうか。たとえ株価の水準訂正が起こったとしても、それで日本経済が破滅的にどうにかなってしまう、というものでもありませんので、重要なのは実体経済がマイナス圏からきちんとプラス成長の達成ができるような状態になってゆくことなのです。


3/21>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/ddf7207a056b061307f3226c29f27940

4/2>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f95e36a27a60da630c0ea6089b448fd0

4/5>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a4d28c16b8213b7eb0fb57fb0d2536f5


だから、以前から警告したでしょう?
りふれ派たちのように、浮ついたバカ騒ぎっぷりが酷過ぎると、こういうしっぺ返しを食らうわけだよ。地に足がついていない。アベノミクスのお陰だ、どうだ株価上昇を見たか、と喧伝したりすると、こういう暴落局面では何と説明するのかね?(笑)
「長丁場のマラソン」なんだから、飛ばし過ぎてもダメだよ、と言ったでしょう?
ここまでの株価上昇局面というのは、言ってみれば「100m全力疾走」くらいだったので、それはまあ長続きせんわな。そういうのを目指していたわけではないはずですので。もっと時間をかけて上昇するなら、まああるんじゃないかと思えますけれども、さすがにここまで上昇が速かったら巻き戻しもキツイ、と感じるのは普通なのでは。


市場の反応ということで、無視するわけではないけれども、過度な変化、急激な変化というのは、必ずしも「正しい値付け」が行われた結果とも言えないわけで、実体とかけ離れた企業価値は、情報が正確に反映されたら訂正が起こるのは当然であろう。

人体の循環系の大事な指標の一つに、心拍数というのがあります。血圧上昇とか低下に伴って変化するし、その他要因でもかなり大きく変動します。全力で走ったりすると急上昇しますし、刻々と身体状況に応じて変化するわけです。その数字を観察していても、病気の全てが判るわけではありません。同じ「心拍数120」という数値が存在しても、その数値が病的な結果なのか、正常な生理的反応の結果なのかは、心拍数という数字だけ見てても判別できません。刻々と変化する数字に「意味はある」けれども、それは解釈がいくつか成り立つ場合もあるということです。その変化の裏にあるものを見極めるということは必要ですが、心拍数という単独の指標を取り上げて、これに解釈を与えるというのはとても困難です。


市場のいくつかの指標というものもこれに似ており、日経平均をいくら見てても要因や解釈が正確にできるようにはならないでしょう。また、世界中のマーケットと比較しても、「日本の株式市場だけが激しく変動する」という奇怪現象は、依然として謎のままですね。それだけ容易に操作され易い、ということでしょう。謎の円売り主体という点でも、同じですね。日本市場というのは、何と言うか、異常なマーケットということでしょう。