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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

日本国政府による辺野古埋立という犯罪~3

沖縄県が訴訟を取り下げた、との報道があり、敗訴が確定したとの事。
で、久しぶりに眺めなおしてみた。


福岡高裁那覇支部の判決文がこちら

https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/henoko/documents/kousoshinhanketsu.pdf


かなり杜撰な出来栄えかと。

わざと分かり難くしているかのよう。文章を改めるのに、わざと最終的にどういう文言になったのかを「全部書かない」方式にしてある、ってことさ。まるで赤ペン修正したようなものでは?

ということは、法律改正案の文言を書いてる人が考えたかのよう、ってか?

対照表でも添付されてないと、高裁判決文だけ読んだ人には「結局、何が書かれたのかがよく分からない」っていうふうにしてある、ってことさ。
卑劣なクソ官僚あたりが考えそうな手口なのでは、って話ですね。早い話が、読ませたくない、ってことだわな。


元の地裁判決がコレ

https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/henoko/documents/01honanhanketsu.pdf

特徴的な部分を示すと、次の通り。

『争訟の相手方が個々の国民であるか、国又は地方公共団体という行政主体であるかを問わず、一般的に、行政主体が、法規の適用の適正ないし一般公益の保護のためではなく、自己の主観的な権利利益に基づき保護救済を求める場合に限り、当該訴訟が法律上の争訟に該当する旨を判示したものと解される。』

『平成8年最高裁判決は、…当該事案においては、市が市道の機能管理権(公物としての機能維持)のみならず財産管理権(不動産の所有権ないし占有権に基づく財貨的管理)を有していたのであるから、同判決は、地方公共団体が自己の財産上の権利利益の保護救済を求めることができると判示したものを解される。』

『行政主体が自己の主観的な権利利益に基づき保護救済を求める場合を除き、行政主体による行政上の義務の履行を求める訴訟の法律上の争訟該当性を否定したものと解されるところ、国又は地方公共団体が履行を求める公法上の義務が、行政処分ではなく法令により課されたものであったとしても、法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的として提起された訴訟である限り、自己の主観的な権利利益に基づき保護救済を求める場合に当たらないことは明らかといわざるを得ない。』

『原告が私人とは異なる公益の代表者としての立場で提起したものであって、私人と対等な当事者として裁判所に助力を求めているものとは解されないから、自己の主観的な権利利益に基づき保護救済を求める場合には当たらない。』


国側主張にまんまとしてやられてるかと。
争点は、最高裁判例の解釈や適用の論争ではないはずが、絡め取られてる。


追及すべき点が違ってる。

・名護漁協のしたとされる漁業権の放棄
=国のいう「漁場でない、だから岩礁破砕許可は不要」論

これは大間違いなのに、ここを徹底攻撃しないと。
ここでも漁業法22条とか解釈論に収束してるのが勝ち目を遠ざけてるかと。裁判所側が国の味方につくのは想定通りなので、知事権限が強固な条文で勝負しないと言い負ける。


・争訟

国も地裁も「争訟でない、だから裁判所の審理対象でない」に逃げ込もうとしているのだから、その反対根拠を示せばいいのに、しなかったのね。
H14年の最高裁判例とか8年判例とかで見解の相違、って逃げを許すとこうなる。

向こう(国や裁判所内部)は、事前に検討会みたいなのをやって、恐らく今回は複数の行政法学者wの見解も集めたわけでしょ?w
辺野古代執行訴訟では過信した官僚どもが大失態のヘマをしでかしたのでw失敗をなるべく回避するように注意していたんでしょうね。


どういう法理?法学理論でもって、地裁判決の言うような争訟該当性の論理みたいなのが出てきたのか、まるで分からん。どこの独特な論理なの?

例えば最近でも
https://www.bbc.com/japanese/47288025

違憲性を争うべく、州政府(州司法長官)が連邦政府・大統領を提訴しているわけで、何故日本では自治体が国を訴えることさえできぬのか、おかしいと思わないですかね?

日本独自の判例体系だから?w
どんな法学理論なんだよ。


前置きがあれこれと話が飛んだが、各論的に以下に述べる。


漁業権の論点は、昨年に書いた通りである。

https://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/21334b80111b971d046ec6d5a653d1aa

https://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/e99e2a511c5cde3a9d7ceba8cf29f1ad


名護漁協の漁業権についての免許は13年9月1日、仲井真元知事の埋立承認前である13年3月11日に当該海域の漁業権一部消滅の特別決議を行い、埋立同意を得たことになっていた(なので、13年12月に埋立承認が表明された)。

14年7月11日に、岩礁破砕許可申請が出された。
これが後に故翁長知事により行政指導的な工事停止要請となるが、防衛省行政不服審査法に基づく審査請求と執行停止を申立てた。
農水大臣は15年3月に知事権限を執行停止とした。理由は「知事権限には処分性がある、工事が停止すると重大な損害を蒙る」ということだった。漁業権が放棄されてるから「岩礁破砕許可は必要ない、知事権限は及ばない」などという理由ではなかった。かえって、知事権限を法的に認め、それを執行停止しないと「工事ができない」と防衛省が主張したのを全面的に認めたのが農水大臣の執行停止決定だ。

日本政府は、『合法的に取得した岩礁破砕等の許可の効力を期限を限ることなく実質的に停止させ、岩礁破砕等を行おうとする者の権利義務を変動させるものである』と文書で言ったのだぞ?

嘘つきは次々と主張を変えるんだよw嘘で誤魔化そうとするw
なので、沖縄県は農水大臣の執行停止決定通知書や防衛局の申立書を証拠として提出し、国の主張の矛盾を突けばよかったのに、そうしなかったみたい。何故かは不明だけど。


漁業法22条の変更がどうってのも、国の主張に付き合う必要性がないかと。
むしろ漁業法8条2項の漁業権行使規則を徹底して言うべきなのだよ。

「当該漁業権又は入漁権の内容たる漁業につき、漁業を営むべき区域」が規定されてるから。

国の言う当該海域の「漁業権の放棄」が効力を持つには、漁業権の区域の規定をする必要がある。それは漁業権行使規則の変更以外には「規定できない」はずなのだよ。
「漁業を営むべき区域」は漁師たちが自分勝手に定めても、それだけで直ちに有効にできるという法体系にはなっていないから、だ。


同法8条6項で、
「漁業権行使規則又は入漁権行使規則は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。」

ときっちり書かれているのだから、その点を追及すればいいものを、放棄だ変更だいや違うだの国や裁判所の誤魔化し戦術に引っ掛けられてしまってるわけ。

ドサクサ紛れで、国も裁判所も適当な屁理屈を並べているだけw


海域に対しての知事の管理権限は水産資源保護法等で一部にはあるが、財産権がないとか裁判所が言うわけだが、どうなんでしょうか。


15年11月21日 衆院予算委(閉会中審査)

○石井国務大臣 お答えをさせていただきます。
 一般私人が埋め立てを行う場合には、もとより一般私人は公有水面を埋め立てることはできませんけれども、国が埋め立てを行う場合には、国が所有する公有水面をみずから埋め立てるというものでございまして、本来的には、この所有権に基づき埋め立てを行うことができるというふうに解されております。
 このように、国が行う埋め立てはみずからが所有する公有水面を埋め立てるものであることから、埋立法は、承認、免許という文言を区別して、適用される条文も異なっているにすぎません。
 いずれにしましても、一般私人であろうが国であろうが、ともに知事の免許または承認を得なければ適法に埋め立てをすることができない、また、知事が免許または承認の審査を行うに当たっての基準も同じ基準
であるということから、国、この場合沖縄防衛局長が、一般私人が立ち得ない特別の立場、固有の立場において承認を受けているものとは解されないというふうに考えております。

 


国に所有権がある、との主務大臣たる石井国交大臣答弁だ。
所有権は財貨管理的な権限ではないけれども、財産権の一部なのでは?

そして、この権限は法定受託事務として、知事に権限が委任(?、用語が正確には分からないです)されているわけでしょう?

しかも海岸法では一般公共海岸区域に該当し、知事に管理権がある。

 

海岸法 第三十七条の三 
一般公共海岸区域の管理は、当該一般公共海岸区域の存する地域を統括する都道府県知事が行うものとする。


また、海岸の国有地は地方自治体への無償貸付となっている。

第四十条の三 

国の所有する公共海岸の土地は、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第十八条の規定にかかわらず、当該土地の存する海岸保全区域等を管理する海岸管理者の属する地方公共団体に無償で貸し付けられたものとみなす。


これはキャンプシュワブの海岸でも同じだろう。
埋立区域の海岸と水面は連続的なので、知事の管理権限が及ぶのだよ。高潮線では自治体管理(国有地の無償貸付)地の上に水面が来るはずでしょう?

連接する水面(法3条)により水産資源保護法は適用されるだろう。財産的権利利益があるものと見る。

参考記事:
15年11月>https://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/00e28f084ca20667f4350615f488dd07

 

次に争訟の該当性云々である。
国と裁判所が言うには、

「一般的に、行政主体が、法規の適用の適正ないし一般公益の保護のためではなく、自己の主観的な権利利益に基づき保護救済を求める場合に限り、当該訴訟が法律上の争訟に該当する」

らしい(笑)。他にも

「行政主体による行政上の義務の履行を求める訴訟の法律上の争訟該当性を否定したもの」
「法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的として提起された訴訟である限り、自己の主観的な権利利益に基づき保護救済を求める場合に当たらないことは明らか」

おいおい、これは以前の国が翁長沖縄県知事に対して提訴した違法確認訴訟を根底から覆す見解でしょう?ww


裁判所ってのは、耄碌が激しいのですか?

16年12月最高裁判決>https://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/e4bcdcb3274486fbcf93097821843a54

平成28年12月20日 最二小 平成28年(行ヒ)394号


あんたら、この裁判は誰がやったの?w
国でしょう?原告は国土交通大臣がやったんでしょ?w


15年11月21日 衆院予算委

安倍内閣総理大臣 
防衛大臣からも答弁をいたしましたように、普天間の返還は一日も早く実現しなければならない、まず、この基本的な考え方の上に立って、このため、移設作業の事業者である沖縄防衛局長は、一刻も早く移設事業を再開するため、迅速な手続である審査請求を行うとともに、執行停止の申し立てを行ったものであります。これを受けて国土交通大臣は、沖縄県の意見を聴取した上で、重大な損害を避けるために緊急の必要性がある等の判断のもとに、行政不服審査法にのっとり執行停止の決定を行ったものであります。

 一方、このようなプロセスの中で政府として改めて検討した結果、翁長知事による埋立承認の取り消しは違法であり、著しく公益を害するものであることから、この問題の解決を図るためには、最終的に司法の判断を得ることができる代執行等の手続に着手することがより適切な手段であると判断され、閣議において政府の一致した方針として了解されたものであります。


提訴理由として言ったのは、

・重大な損害を避けるために緊急の必要性がある
・著しく公益を害するものである

だよね?


これは違法確認訴訟の時点でも、取消処分は違法だ、工事停止で公益を害するって国は散々言ったろ?
これは和解で取り下げたけど、国地方係争処理委員会の結果を受けて、沖縄県が提訴もせず取消処分を撤回もしない、との理由で、国交大臣が違法確認訴訟をしたでしょう?


この訴訟では、国交大臣の主観的権利利益なんか問題になってないでしょうに。
沖縄防衛局が「一私人同等の事業者」としての利益を問題にしただけであって、石井国交大臣の個人的利益なんか、全く関係ないんだよ。

そして、公有水面埋立法の適用を「適正にせよ」と裁判に訴えたわけだろ?
公有水面埋立法の規定からすると翁長知事のした承認取消処分は適正な適用ではない、だから違法だ、の論法なんだろ?


地方自治法251条の7第1項は、国地方係争処理委員会の判断が国の関与が違法の勧告か合法なら自治体が指示に従え、か、どちらかの場合にしか適用されない。当時の係争委の結果は、どちらでもなかっただろ。沖縄県は係争委の通知に従っただけではないか。
にも関わらず、最高裁は無条件に国の提訴を認めやがった。
出来レースだったから、だろ?


そして、国交大臣を原告とする違法確認訴訟は、上の地裁判決で言う所の、自己の保護救済を求めるものではないし、公水法の適正なる適用を指示した大臣が行政上の義務履行(取消処分の撤回)を求めたものだろ。
その目的は公益の保護だって総理自らが答弁しとるだろ。裁判で提出した文書にも、何遍も国は公益だ公益だって言ったんじゃないか。


それは「争訟」該当性に欠けているから、最高裁基地外だ異常だおかしい、って教えてやれよ。


この国の司法は、本当に、とことん腐り切ってる。

出してくる屁理屈も、支離滅裂のものばかり。これを誰しも「当然だ」と考える狂った司法なんだとよ。