怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

『英国王のスピーチ』の感想

かなり遅れたけれども、観ました。

評判通りに、とてもよい出来でした。俳優さんが素晴らしい。
対比される音声のいい人の発声と英国風の気取った感じの発音も、雰囲気が出ていて(当方は英語が苦手なのであくまで個人的感じ、ですが)とても良かった。


王様という一般人とは全く違う立場の人の、深い深い苦悩が描かれていて、そうだろうな、と思った。ありがちな「楽そうでいいじゃないか」というような批判を受けそうではあるけれど、そういう立場になった人にとっては、まさしく「隷属・隷従」のようなものでしかないということにもなるので。

自分の好きな人と結婚すら許されない、ということの、何と不自由なことか。そういう犠牲を払うことが求められる、というのと、王という立場がどういうものか、というのがうまく対照的に描かれていた。

日本人であると、天皇陛下という存在が念頭にあるわけだが、何らの実権もなく、徴税権もないし、これといって実質的権限などないのだが、そうであってでさえ国をまとめる存在として君臨し続けるのである。英国王もまさしくこれと同じなのだな、と感じた。

何故英国王が王としての地位を維持するかというと、権限はないのに「国民に話しかける」ことだけなのだ。あくまで国民の心の中にある、権威ということでしかないのである。強権で何かをされるとかではない、心の内にある「そういうもんだ」ということだけである。何故王が王の地位にあるのか、と問われてみても、「そういうもんだ」としか言えない、というような感覚である。

英国王を身近に感じた人は多くいたのではないかと思う。私自身がそうであったから。