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インドのICBM発射実験に安保理はスルー

北朝鮮の”衛星”発射実験に大騒ぎしたわけだが、何故か殆ど非難が出されずに過ぎた問題がある。

インドのミサイル発射実験に、アメリカは何と言ったのだろうか?

http://www.afpbb.com/article/politics/2872575/8812649?ctm_campaign=txt_topics

【4月19日 AFP】インドは19日、東部オディシャ(オリッサ、Orissa)州沖のウィーラー島(Wheeler Island)で長距離弾道ミサイルの発射実験に成功したと発表した。発射されたミサイルは核弾頭1トンの搭載が可能な「アグニ5(Agni V)」で、軍事上のライバルである隣国の中国やアジア外の国々も射程圏内に入る。(c)AFP


北朝鮮の衛星ロケットは失敗に終わったわけだが、核兵器としての危険度はどちらが上かといえば、明らかにインドのミサイルである。核弾頭もきちんと搭載できるタイプであり、技術水準も十分だと考えられる。いい加減な北朝鮮のロケットなんかとは違う、ということだ。


北朝鮮が衛星発射実験を行うといえば、安保理決議違反だとして制裁対象となり、安保理の非難決議まで出される、ということになるわけである。

一方、インドはどうして非難されないのであろうか?
核ミサイルを保有し、発射実験も普通に行って、アメリカやロシアなどの核兵器国と同等の扱いとなっている、ということだ。


ここに、アメリカをはじめとする核保有国の二重基準が明らかとなる、ということである。特にアメリカは、インドへの技術支援を行っているはずであり、インドの核保有を公然と後押ししている、と言ってもよいだろう。
オバマ大統領の掲げた、核不拡散だの核放棄だの縮小だのといったお題目は、ただの奇麗事に過ぎない。見せ掛けだけのスローガンでしかない、ということだ。


インドが誰を攻撃するかは、彼らの胸算用次第だ、ということである。
アメリカが、自分の味方と認識する国には、核兵器開発も発射実験も「承認する」ということである。イランや北朝鮮などの憎たらしい国が同じようなことをやろうとすれば、それは「国際法違反だ」などと難癖をつけ、制裁対象とするのである。

外見上は、イランの濃縮だの、北朝鮮の衛星打ち上げだのというのは、核兵器開発とは呼ばないものであるはずが、制裁されるのである。インドは、明らかにICBMであり、その旨を公表しているにもかかわらず、何らの非難も罰も受けない。

インドは、西側諸国にとって見ると敵対国ではないから、というのもあるし、中央アジア〜中東地域の要の国だから、ということもあるだろう。何より、対中国への強力な牽制・抑止的存在として、極めて重要だから、ということがある。


結局は、世界のルールや決め事というのは、誰かの都合によって決まっている、ということだ。そのことを念頭に、本音の部分を見出す努力が必要となる。矛盾に満ちた世界は、強国の論理によって生み出される、ということなのである。