怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

さらに続・さよなら「電力足りない論」

「救いようがないバカ」(by 竹田圭吾)というのは、その愚かさゆえに自ら考えることができない、ということだ。

竹田といい、クレディスイスの市川といい、原発信者というのは本物のアレだな。


ここ暫くの記事で揚水発電について書いてきたりしましたが、コメントで大変有益なことを教えていただけました。改めて御礼申し上げます。

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/57f08bd77993ff4deef511eabfa0ff64


リンク先の記事(特に2つ目)はとても勉強になりました。
また、当方の想像よりもはるかに火力の調節能は高い、ということも判りました。


関電の話ですけれども、7月は揚水発電は28645万kWhであった、と報道されました。昨年よりもずっと多いんだぞ、ということらしいです。確かに、昨年同月は20810万kWhでしたので、今年はずっと増えていますね。


http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/36218.html

(一部引用)

関電は奥多々良木を含め兵庫、奈良、京都の3府県に4カ所の揚水発電所を持ち、出力合計は488・4万キロワット。大飯原発が再稼働した後の7月半ば以降はほぼ連日、揚水で400万キロワット前後の供給力を確保。本来はピーク時間帯に限った供給力の上積みが役割だが、厳しい電力不足に対応するためベース電源の一部に組み込む形で運用し、今夏を乗り切る構えだ。
(中略)
流量最大のフル出力で稼働できるのは8時間。需要に応じて必要な稼働時間が延びれば、その分だけ流量は抑えられて出力は下がる。今夏は稼働時間をピーク時に限定せず、おおむね午前7時ごろから午後9時ごろまで出力数十万キロワットで運転するケースが多いという。

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その理由ですが、需要量が増加したことではありません。
また、昨年同月の方が「原発供給力は多かった」ので、今年の揚水発電量が増加した理由は別に存在するということです(笑)。
関電とか経産省やエネ庁はバカだから、誤魔化そうとしては自ら墓穴を掘るの図、ということかと思います。


2011年7月の関電管内では、原子力発電の電力供給量は、671.7万kWもあったわけです。今年の3倍近くあった、ということ。原発稼働が増えるからといって、揚水発電量が増加する、ということではない、ということだ。現実のデータがそれを示している(今年28645→昨年20810万kWh)。
だから、原発を動かせば、揚水発電量が増える、というのは、ただのウソ。火力だろうと原発だろうと供給力としての違いは本来存在しない、ということだ。原発は揚水に回しても回さなくても同じコストになるが、火力が揚水に回さなければ燃料費が安く済み、揚水を多く使えば燃料費が増える、ということだけ。


因みに、本日は火力を約400万kW分も削減しており、大幅に供給力が余っているのですが、予備率があまりに低くなり過ぎると格好がつかないので、わざと止めているということでしょうな。


上記報道記事からすると、朝から晩まで「ダラダラと流す」ということで、需要急増に備えるという大義名分を保ちつつ、実のところはピーク需要が節電効果で低いままということ。


発電量からすると、一日当たりでは28645/31=約924万kWh、ということになる。
これを約14時間発電するということらしいので、供給量としては66万kWでしかない、ということだ。これが現実。


事前に関電が説明していたような、200万kWでもない、たったの66万kWだ、ということである。
もしピーク需要対策として用いるなら、他の発電設備がフル稼働でも届かないけれど、例えば最大ピークの出現が多い13〜17時の4時間だけ揚水発電を用いれば231万kW/hで供給できるはずなのに、だ。


本来、そういう使用を想定していたであろうはずが、需要が低いままであったので、「ベース電源に組み込んで」使っている、ということだそうだ。


参考までに、冬の電力需給がマイナスになると言われていたが、その12月では揚水発電量がわずか3002万kWhしかなかった。これだと、1日当たりでも96.8万kWhに過ぎず、需要急増に備えてチョロチョロと流しておいたとして、同じ14時間稼働だと僅か6.9万kWに過ぎない。けれども、日々の供給力としては、数百万kWがカウントされている、ということだ。


火力を毎日毎日、昼夜を問わずフル稼働にして、揚水にガンガン汲み上げさせて、それでも電力が足りない、なんてのは、ただの妄想なんだよ。



それらか、後出しで言っても無駄だか意味がないだか偉そうな口を叩く竹田圭吾みたいなやつがいるが、当方の記事では主張自体が4月から変わってない。後から言ったのではなく、事前に言ったのだ。これまでのところ、事前予測は政府の需給検証委員会や関電よりも『近かった』ということだな。というか、関電は騙そうとしていただけなので、例年通りにきちんと数字を出せば、一番正確になっていたに決まっている。ウソをつくから、そうなる、というだけ。



4/15>関西電力の出した数字の根拠を問う


5/5>関西電力の需給を再考する


揚水の運転の仕方にしても、8時間とか10時間を同じ発電量で継続する必要性はなく、ピーク時の4時間程度だけに集中すれば、供給力を維持することは可能。
その上、火力を停止せず、揚水を毎日ダラダラ使うのを止めれば、さらに余裕が生まれる。


関電が揚水をベースに組み込む理由があるとすれば、


  自社石油火力の発電コスト>10/7×他社買取夜間電力コスト


という場合、だな。


自分の会社の設備だと旧式で効率が悪く、単位W当たりの発電コストが割とかかってしまう、と。
だが、他社から買う単価の10/7倍(同じ発電量を得るのに、揚水はロスが発生する為)の方が安く済むのであれば、買うだろうな、ということである。

 
自社火力で700万kWhの供給を行う場合、1万kWh当たり費用がa円なら、(700a)円のコストがかかる。一方、他社から1000万kWhを買入て、揚水発電に回すと供給力が70%にダウンするので700万kWh分ということになる。この他社買入コストが単位当たりb円だと、全部で(1000b)円となるわけである。


この大小比較、ということになるから、買入条件としては、


  700a>1000b


つまり、


  a>10/7b


となる。要するに、自社の方が高い、ということだな。


それ以外には、事前の関電のウソを誤魔化す為に、揚水を嫌々ながらも沢山使った、ということかな。それくらいしか思いつきませんな。