怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

アベノミクスを喧伝するマスコミのご都合主義

円安になって自動車や電機などの大手企業がバンザイして喜んでいるのかもしれないが、マスコミの狂乱ぶりは目に余る。


かつて、原発再稼働問題の時に讀賣新聞社説をはじめとする国内大手マスコミの連中は、何と言っていたか?
代替燃料の輸入で「年間3兆円も輸入額が増加する」のは、大変だ大変だ国富流出だ、と大騒ぎしていたわけである。


マスコミの思考力なき連中には、小学生の算数程度の計算すらできないのかもしれません。


◎さて問題です。

問1:
日本は昨年1年間で60兆円の輸入をしました。1ドル80円で決済しました。ドルベースでは、いくらでしたか?
そうですね、7500億ドルですね。じゃあ、次に行きましょう。

問2:
今年も昨年と同じだけ輸入しなければなりません。ですが、今年からは1ドルが100円になってしまいました。7500億ドル分の物品を購入するには、いくらの日本円が必要になりますか?
掛け算ができれば答えは出ます。
75兆円なり〜。


はい、これもアベノミクス効果がバッチリ効いたお陰ですかね。
すると、日本は「全く同じもの」を購入するのに、片や60兆円で済んだものを、わざわざ75兆円出して購入せざるを得ない、ということになるわけです。

そう、日本国民全体からの輸出企業へのプレゼント(所得移転)を意図的に行って、それでそれら企業は日本国民全体に何を返すと思いますか?
日本国民全体で払った15兆円分の余計なお金以上に、経済活動を高めてくれるならばいいでしょう。けれども、需要不足のうち15兆円分をそれら輸出企業が埋めてくれる、なんてことが本当にあると思いますか?(笑)


マスコミは狂ったように「原発止まれば、3兆円の国富が流出する!!」と叫んでいたのに、どうして今は同じく言わないんだろうね?バカだからですか?算数ができないからですか?今の為替水準が続けば、同じ輸入量であっても10兆円以上の輸入価額増となりますよ?燃料費増加の3倍〜5倍もの損になるんですよ?(笑)それでも、「国富流出だ」とは言わないと?
それとも今年中に、円安効果だとか言って、それで本当に輸出が大幅に伸びるとでも言いますかね?為替下落分と同じかそれ以上の割合で、輸出が増やせる、という自信があるなら、そう宣言しておいてほしいもんですな。


08年度第4Qでは、日本のGDPは30兆円分くらい軽く吹き飛んだんじゃなかったでしたか?その多くが輸出企業の落ち込みだったわけで。輸出額は08年から09年だと約26兆8500億円減少したので、消滅した分は殆どが輸出企業分ではないかと推測されるわけなんですよ。
このGDP減少となった30兆円に比べりゃ、TPPで増えると言われた3兆円程度なんて、誤差に見えるくらいなんじゃないですか?(笑)


これまで自工会みたいな経団連の大企業の言う通りにやってきて、優遇措置もたくさんやってきて、それで「日本経済の足を引っ張り続ける」存在となっているんじゃないですか?

これら日本企業のやったことというのは、大バーゲンセールだ。
それは「日本人の労働力」を大安売りで世界中に叩き売りした、ということだな。その効果で儲けさせたのは、ごく一部の人間とか株主といった投資家たちだけだろう。


そして、TPPも同じ構図なのだ。
円高のせいだ、次は、TPPじゃないとダメなんだ、と言い張るわけだ。これも同じで、日本国民全部に迷惑をかけるのに、それを承知で「自分たちの企業だけが良ければいい」ということでしかない、ということなんだよ。


まあいい。
高々3兆円くらいで大騒ぎしていたマスコミの愚か者たちは、さっさとアベノミクス批判をやったらどうですか(笑)。
安倍政権の補正予算には、「国債発行すんな大運動」を展開してなかったようだが、これも不思議だ。民主党政権時代は、「財源はどこだ」と狂ったように叩いておったわけだが。なんという都合のいい対応。コロコロと掌を返す様は、見苦しい。