怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

サッカー日本代表のこと

久々に書いてみたい。
今年は本大会出場決定と、コンフェデ杯とか、色々とあり、お疲れ様でしたと言いたい。一時期には、ザッケローニ監督解任も視野に入れるべし、みたいな厳しい論調もあった。監督業というのは、誠に大変なようだ。


直近の話題は皆さんご存じの通り、オランダ、ベルギー相手に1勝1分という、望外の結果を残せたことだ。特に、オランダ戦では「勝てる試合」を目前にして勝てなかったということで、ベルギー戦では気合いを入れて臨んだ。

そして、一つの勝利はどんな治療法よりも効果的である、ということを実証した。本田は、そのことを意識していたし、誰よりも強く考えていたことだろう。今、代表に最も求められているものは、勝利で示す「結果なのだ」と。その勝利こそが、チームを支える原動力となるだろう、と。


まさに有言実行。本田は自らそれを証明した。
今年は、ベルギー戦勝利だけではなく、イタリア戦やオランダ戦でも可能性を感じさせる試合を見せてくれた。そのことは、素直に喜びたい。日本のサッカーの進歩が感じ取れるからだ。

かつては、守備に追われてしまい、攻撃する人数はそう多くできなかった。エリア内にいる人数なんて、ごくごく限られたものだった。それくらい、相手の攻撃を怖れ、守備に人数を割かないと簡単に失点してしまうようなレベルであった、ということだ。

それは、小さな局面では圧倒的に負けており、つまるところ1対1でことごとく置き去りにされていた、ということである。しかし、近年では日本のレベル底上げが進んだ結果、守備にそこまで神経質にならずともよくなってきた、ということだろう。だから、攻撃に人数をかけても試合になるようになってきたものと思う。昔であると、日本にチャンスが訪れても、ボールを持ったFWが孤立無援状態になることは多々あり、後ろには誰も追いついてきてない、ということは珍しくなかった。カウンター狙い、ということしかなかったからかもしれない。


そういう時代に比べると、サッカーの質が変わったと思う。
組み立てが普通の強豪国のそれと、大差なくなってきたということだ。その成果が、強豪国への善戦、ということだと思う。それを得るには守備面でのリスクを負うことになるのは仕方がない。過去から比べると、守備が進歩したからこそ、攻撃ができるのである。


セルビアベラルーシ戦に連敗した時には、さすがに危機感を持った人は少なくなかったろう。監督解任論が噴出してくるほどの、どん底にあったわけである。試合にも流れがあるように、代表チームの試合結果にも流れがあるのだ。苦しい時もある、ということだな。その試練を乗り越えねばならない。


スペイン、ドイツ、ブラジルあたりには、まだ及ばないのかもしれない。が、日本の戦い方は前進しており、イタリアやオランダをあと一歩まで追い詰めるというのは、昔なら夢のまた夢、だった。それくらい、日本の進歩があったということだ。


今回のベルギー遠征での成果は、現実のW杯1次リーグを戦う上で非常に参考になった。対戦相手や選手のコンディションに応じて、メンバーを起用できる目処が立った、ということがある。

DFの森重も好材料だった。今後、センターバック要因の選別が進められるだろうが、吉田は当然として他の組み合わせをどうするか、ということがあった。これまで何人か試されてきたが、監督が誰を選ぶか、だな。

何と言っても、日本の最大の悩みと言われてきた「点の取れないFW」という、長く重い烙印は、今回の2戦で払拭されるかもしれないという希望が見えてきた。大迫と柿谷という新星が登場した意味は大きい。前田もどうなるか判らない。
(マイクは選外としか思えないんだが…>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/dbd21a10a92c2557c927e4f11260a1cb
岡崎は、着々と代表ゴールを積み上げており、欧州移籍前に比べてキープ力は向上したし、運動力と粘っこさは健在で、守備に効いてる。ベルギー戦決勝点となったボレーも、昔なら一度落として切り返そうとしたりしたかもしれない。が、技術の向上と共に、意識を変えたことで良くなってきたのかも。


日本の悪い時には、テンポが遅い。
今回の改善点は、半歩速く、みたいな意識の持ち方だと思う。タイミングが遅いと相手守備に対応される時間を与えてしまう。今回は、一呼吸速いパス出し、センタリング、シュートタイミング、そういうのができていた結果ではないかな、と。

うまく行く時は繋がるし、そうじゃない時もあるわけだが、「考え方の質」がチーム内に同じ方向に行って、良くなったように思える。
遠藤の組み立て能力は、やはり代え難いものがあるな。
今回、山口の台頭で遠藤の体力面での負担軽減が図れるかもしれない、というのは好材料だ。悩ましいボランチ要因として、細貝、山口と新たなタレントが揃ってくれば、守備要因とか警告や体調面などでチーム内でカバーできるようになるから、かなり楽になる。


現状、本田と吉田の代わり、というのは、やはり思い浮かばない、というのが率直な心境だ。2試合ともスタメンだった、というのも、よく分かる。チームの軸というか、芯の部分として、この2人は欠かせないと考えるのは当然だろう、というのがぼくの見方である。


右SBは、以前から酒井宏が呼ばれていて、結果も残せるようになってきている。問題は左SBかな。長友以外に誰を使えるだろうか?今回の酒井高を見る限りでは、代表メンバーに残るのはやや厳しくなってきているかも。もっと集中して、視野を広げるとか、常に「振り返って周囲を確認」といったことができていない。生き残りを賭けて、更なる向上が必要だろう。


いくら上位チームにいい試合をしていても、これまでのように下位チームに取りこぼしが多ければ、強豪にはなれない。勝てる相手、勝てる試合、そういうのを勝ち切ってこそ、真の実力となってゆく。


立ち止まっていてはチャンスはつかめない。
動きの中で得点に結びつけたように、日本代表は更なる高みを目指して前へ進むべし。
可能性を感じさせる彼らを、今後もひっそりと応援している。