怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

法学者は信頼に足るか?

そんなことは、たぶん分からない。その人による、と思っている。

先日、憲法学者・長谷部恭男東大教授のインタビュー記事が朝日新聞に掲載されたらしく、話題となっていたようだ。

http://togetter.com/li/605554

当方は、長谷部教授のことを全く知らない。どういう人なのかも知らない。曲学阿世と罵られるようなタイプの人なのかどうかも、全く分からない。
なので、東大の長谷部教授が言うので「信じられる」みたいな感想は抱けない。


法学者が信頼に足るかと問われると、必ずしもそうは思わない、というのが当方の見解である。これまでも、そう言い続けてきたが。


具体例:

・田中耕太郎>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E8%80%95%E5%A4%AA%E9%83%8E

小林節慶大教授>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/42eed1315c2bc6415935c5af9280ed2e

・大学設置許認可問題>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/05866f31577f2825e6b117905b1e29b7



学者の言い分が本当に正しいのだろうか?
政治的に立ち回る人なら、いくらでも態度を変えられるかもしれない。だから、東大教授がそう言ったから、というだけで信じることなど到底できない。その人をどう評価するかということが、まずある。
学者間で言い分の対立することであるなら、「学界においてもまだ評価が定まっていないのだな」ということが分かるだけ。つまりは、曖昧とか、不安定ということだ。ほぼ90%以上の専門家の人が同一の回答をする、ということではないと分かるだけである。それは、司法・法学分野だけではなく、経済学でも同じ。これも散々言ってきたわけだが。


なので、長谷部教授の見解はある一つの見方、という受け止め方にしかならないだろうな(インタビュー記事は読んでない、朝日の購読者or会員ではないので)。気になったのは、”常識的に考えて”秘密の範囲が拡大することはない、みたいな言い分。


長谷部教授の意見が本当に正しいのなら、日本においては冤罪はとっくの昔に消滅していることだろう。常識的に考えて、検察官が調書や証拠を捏造することなどあり得ない、はずが、現実社会では「起こっている」のだよ。法に書いてある文言に何の問題もなく、いかに正しそうに見えても、結局は使う人間による、ということだ。


尖閣衝突ビデオは、行政庁の解釈として「秘密」に該当する、ということだったが、秘密を漏洩(ネット上に公開)した海保職員は罪に問われなかった。

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/10c9e98e358bd9b9f1c86dd578c6763c
http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4a2dd0691489af998d70b4d6a834c10a


自民党は当初から公開を要求していたではないか。だが、「秘密」指定されたんじゃないの。自民党基準では「秘密じゃない、公開せよ」だったのに、行政庁は独自基準で「秘密」指定できた、ってことだろ。馬渕国交大臣(行政機関の長だ)が公開しない、と公言したではないか。つまり、行政機関側の都合によって、「秘密にできる」ってことだ。恣意的運用は、行政側に解釈と運用権限がある限り、可能なのだよ。これが特定秘密保護法になったからといって、変わるとでも言うか?そんなことなんかないんだよ。それが官僚であり霞が関体質だ。


アメリカ側抗議のあった「秘密」にしても、恣意的に運用可能ということなんだよ。
http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/690f1a30e8e3a969a1338bc6960aff7b


いいか、外国の政府機関等から「秘密だぞ」と指摘された時点で、そうなってしまう、或いはそのようにできる(行政側がその要求に応える)、ということなのだよ。日本の政府が、「これは日本国民にとって重要な情報なので、秘密指定にはしません、情報公開対象とします」などと突っぱねられるとでも言うのかね?


検察審査会の「審査委員の年齢、誕生月」が検察審査会法26条の解釈で、秘密にできると思うか?法解釈権を盾にとり、何でも「秘密」にしたんだよ。

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/bd1c0b13302d83f73cdd29a363f29456




要するに、長谷部教授の言う「常識的に考えて」なんてものは、通用しないのが日本の行政や司法なんだ、ということだ。


当方は、「まだ起こってもいない危険」を指摘しているのではないのだよ。既に、現実に起こっているからこそ、「危険だ」って言ってるのだ。そして、これまでも可能だったことが、新たに便利な「魔法の壺」を与えてしまったんだ、と言っているのだよ。


http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/46f030d53e04d24b048925fb6084537f


長谷部教授が大丈夫だ、と言うのなら、これら問題点が「情報開示」によって真実を明らかにできてからにしろ、と言ってあげたい。できないなら、決して「大丈夫」なんかじゃないんだ、ってことを実証(笑)することになるだろう。



あと、長谷部教授はずっと前から「秘密保全法制」の体制(行政)側有識者、という立ち位置であり、政府の委員なんかもやってるみたいですね。総務省の審議会の下部組織(通信・放送の総合的な法体系に関する検討委員会)の主査とか。

2011年1月>http://www.kantei.go.jp/jp/singi/jouhouhozen/housei_kaigi/dai1/gijiyousi.pdf

つまりは、行政寄りの人間、ということであり、自分の立場や権益が拡大する可能性が高い場合には、中立的ということではないかもしれない、と思っておくべきではないでしょうかね。