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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

海兵隊の政治力

在沖海兵隊は苦境に陥っていた。
普天間基地問題について、具体的成果がなければ、沖縄からの完全撤退という可能性すらあった。13年末までに、何が何でも結果を出さなければならなかったのだ。


海兵隊人脈の総力を挙げて、安倍政権及びその周辺(従米派のエージェントたち)にヤキを入れて回った。何としても移転計画を進めろ、と。もしもできなければ、政治的基盤を破壊してやるぞ、と。
唐突に見えた猪瀬都知事の失脚劇は、ある種の脅しの結果なのかもしれない。現実に「こうやって簡単に血祭りにあげられるんだぞ」、と。見せしめの効果としては、まあ十分だったのではないかな。

安倍政権は、まず自民党沖縄県連や沖縄選出議員たちを全員転ばせた。「逆らえば一族郎党までもどうなるかわからんぞ」とでも暗に臭わされれば、脅しに屈せず耐え抜ける人たちなんて、そうそういるもんじゃない。外堀を埋められて、仲井真沖縄知事の政治的立場は難しくなった。ウンと言わずに済ませる方法は、もう何処にも残っていなかった。


脅しをかける側は、マスコミを黙らせる力がある限り、いかようにも使える手があるのだ。嘉田知事もそう、泉田知事もそう、少々締め上げて脅せば、背に腹は代えられぬということで反対を「覆す」ことなど、難しいことではないのだ。

知事たちが、それまでの主張を掌を返したように引っ込めるのには、理由があるということ。弱味に付け込むのは、そう難しいことではない。官僚のような人種というのは、恐らく他人の足を引っ張ることにかけては超一流だろうと思うので(笑)。特に、従米派の末席に連なってるような連中というのは、陥れ能力に長けたようなヤツしか加わらないだろうからな。


話を戻そう。
海兵隊は焦っていたのだ。米国内の政治力学という点において、海兵隊は沖縄を失うかもしれない、という危機感があった。オバマ大統領は沖縄に海兵隊基地を維持し続けなければならない理由というものがそもそも存在してなかったし、共和党内でも財政政策重視派は大勢いるので、海兵隊削減を推進しようという勢力は少なくなかったはずだ。
しかも、ヘーゲル国防長官は国防総省全体として経費削減を推進することを支持しており、やり玉に挙がったのが在沖海兵隊だったのだ。辺野古移設という無謀な計画が「進展なし」であった場合、海兵隊の抜本的再編が求められて当然という雲行きになりかねない状況だった。『QDR2014』の最終稿の為にも、海兵隊の編成と配置計画というのは、一つの要点であったはずだから。


それ故、目に見える「結果」が求められた。
それが、仲井真知事の「承認宣言」だった、というわけだ。埋め立て申請にOKとしたことで、海兵隊の首の皮が繋がった。

安倍政権にとって、どんな手を使ってもよければ、転ばせることなど容易いことだった。仲井真知事には、裏で脅し、表(安倍総理)からは「あなたの立場を絶対に守る」と言質でも取ったのだろう。批判の矢面に立って一身に「注目を浴びよう」と安倍総理自らが演じてくれたわけだからな。靖国参拝というのは、そういうものであり、タイミングから見て他の理由というのは考え難い。
http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a05eef63879f28de83872c8cde19f58e


悪者役を知事から安倍総理が引き受けてくれたわけだから、まあ効果は大きかったんじゃないか。マスコミは当然にこれを大きく取り上げ、食いついたわけで。


結果的に、海兵隊が救われ、沖縄に居座り続けることになった、ということだ。
安倍総理はその手下でしかなく、従米派の繋がってる相手というのは、政治的には大したことがないのでは。本物の政治力がある勢力であれば、米国内において優位に立ちこそすれ、削減候補にはならないだろうから。


日本の政権というのが、アメリカの支部以下くらいの扱いでしかない、というのもナンだな。それくらい、とても簡単な相手だ、ということなんだろう。