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ペテン国家「アメリカ合衆国」による辺野古蹂躙〜その4

防衛省告示第123号は、明らかに違法だ。
喩えて言えば、馬鹿な国が公海上に「この区域はオレ様が銃撃戦ごっごに毎日使うので、誰も入ってくんな」と勝手に線を引いて、侵入者を片っ端から銃殺して、「保安上の措置だ」と豪語しているようなものだ。
そういう愚かなことをするのは、北朝鮮とか、海洋法条約を無視している合衆国政府くらいではないのか?
何故なら「オレ様は条約に入ってないから、そんなの関係ねー」と公海上を不当占拠し自分独自の使用をしても誰からも咎められないから、だ。こういう者を無法者と呼ぶのだ。銃撃戦ごっごを完遂できる圧倒的武力を有しているから、他者を何の理由もなく排除できるのだ。無法の暴力国家である証拠だ。


さて、辺野古の海に目を戻そう。
防衛省が出した「オレさまの海」宣言である、防衛省告示第123号は次のものである。


http://www.mod.go.jp/j/presiding/pdf/2014/123_0702.pdf

内容をざっと書くと、次のようになっている。


6009 キャンプ・シュワブ

◎共同使用
・水域 5,168,000平方メートル
・所有関係 未知
・沖縄防衛局が普天間飛行場代替施設の建設のため共同使用する。
・使用期限:普天間飛行場代替施設の工事完了の日まで


◎使用条件変更
・所有関係  未知
普天間飛行場代替施設の工事完了の日まで、次の各点を順次に結ぶ線によって囲まれる区域の内側で陸岸に接続する水面域を臨時制限区域とする。
・臨時制限区域は、陸上施設及び普天間飛行場代替施設の建設に係る区域の保安並びに水陸両用訓練に使用するため、常時立ち入り禁止区域に設定する。

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所有関係は、「未知(ブランク)」なんだと。
海上の所有権が誰のものとも特定できないのと同じ。そこに「オレ様の海」宣言とは、これ如何。

日本の詐欺師安倍政権と馬鹿官僚たちが考え出した、日本国民を騙す詐術だ。陸上の土地であれば、所有関係が明らかであることが殆どなので、そこに契約関係等の設定は、所有権者に相応の自由があるだろう(当然に著しい公益の毀損には配慮が必要なことは言うまでもないはずだが)。

しかし、所有物でもないものを、一体全体何の権利があって「制限区域」とできるのか?もしもできるとすれば、立法措置のみであるはずだろう。国会がそのように決めない限り、政府の所有物でないものの処分を政府が好き勝手できる権限なんかない。


恐らく詐欺師たる政権が依拠していると考えられるのは、日米地位協定第2条の規定である。


日米地位協定 第2条

○第2項
日本国政府及び合衆国政府は、いずれか一方の要請があるときは、前記の取極を再検討しなければならず、また、前記の施設及び区域を日本国に返還すべきこと又は新たに施設及び区域を提供することを合意することができる。

→これにより「新たに区域を提供することを合意」できる、と。これが今回の水面域の指定ということであろう。


続いて、分かりやすい(b)からみる。

○第4項
(b)合衆国軍隊が一定の期間を限つて使用すべき施設及び区域に関しては合同委員会は、当該施設及び区域に関する協定中に、適用があるこの協定の規定の範囲を明記しなければならない。

→たぶん、本件告示の範囲が協定中に明記されたはず、ということ。7月1日に閣議決定した後、超特急で日米間の合意文書作成が行われ、新たな協定文書に署名・発効された、ということだろう。合衆国政府の協力がなければ、こうした処理は不可能なはずだ。だって、2日の告示までに間に合わせたわけだからな。


ひとつ戻って、(a)の項を見る。

○第4項
(a) 合衆国軍隊が施設及び区域を一時的に使用していないときは、日本国政府は、臨時にそのような施設及び区域をみずから使用し、又は日本国民に使用させることができる。ただし、この使用が、合衆国軍隊による当該施設及び区域の正規の使用の目的にとつて有害でないことが合同委員会を通じて両政府間に合意された場合に限る。


軍隊が区域を一時的に使用していないときは、日本国政府又は日本国民が「臨時に使用」できる、と。本件告示においては、政府が使用するのと同時に、工事業者たる日本国民に使用させることができる、という意味だろう。
そして肝要なのが「この使用が、正規の使用の目的にとって有害でないことが両政府間で合意された場合に限る」、ということだ。


つまり、本件告示は両政府間の合意というのが大前提となり、それは「合衆国政府の意思」ということでもある。

合衆国政府は、合衆国憲法あるいは合衆国最高裁判例には従う必要がない、と宣言したに等しいではないか。さすが、無法者国家たるアメリカ合衆国だな。


で、合衆国政府と日本国政府間の合意文書が存在しなければ、区域の提供はできないし、日本国政府に使用させることも不可能。


仮に、日本の安倍政権のやった「区域の提供」が日本の法令に違反しており無効であるとしても、合衆国政府はその違法には必ずしも拘束されないのかもしれない。しかしながら、合衆国憲法及び合衆国最高裁判例には従うべきなのではないのか。ならば、公共信託法理が本件の海域に適用されても当然であると言えよう。
合衆国軍隊の海域の利用というものが、他の全ての法益に最優先される、ということが証明できない限り、住民意思や利益が保護法益として優先される。具体的には、キャンプ・シュワブの使用目的はあくまで訓練であって、戦闘行為などではないし国防上の利益云々なんてものも、本施設及び区域には課されていない。


合衆国軍隊が合衆国憲法及び判例法理に拘束される限り、たとえ日本国民に対する法益侵害であるとしても、その侵害は到底許されるものではないはずだ。


いいか、合衆国政府が与えた合意そのものが、合衆国最高裁判例に抵触する決定内容である、ということだ。


整理して書くと次のようなことだ。


日本政府が米軍に区域を提供(第2項)
  ↓
米軍が日本政府に区域使用(=共同使用)を許可(第4項a)
  ↓
米軍が日本政府に海上の摘発を要請
  ↓
日本政府が自己占有と同等の領域とみなす
  ↓
 ☆海保が「我が物顔」で無法の横暴を繰り返す(今ココ)



そもそも、日本国政府(安倍政権)による本件区域の提供は、日本の法規に照らして違法であり、不法原因給付に匹敵するようなものだ。それなのに、合衆国軍隊は「善意の第三者」的立場なので、仮に違法な提供であろうと知らんぷり(=どんな汚い手を使っても勝てばいい、という無法者根性)を決めればいい、ということなのである。

しかし、バックレても合衆国判例で違法なら違法なんだよ。


海保が張り切っているのには、ワケがある。それは、区域の警備で摘発できる正当性があると考えていたから、だろう。元はといえば、刑事特別法適用と言っていたわけだからな。しかし、何か誤算があったに違いない。

本来的には、『米軍からの要請』というのが条件になっている。


日米地位協定

○第三条
合衆国は、施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができる。日本国政府は、施設及び区域の支持、警護及び管理のための合衆国軍隊の施設及び区域への出入の便を図るため、合衆国軍隊の要請があつたときは、合同委員会を通ずる両政府間の協議の上で、それらの施設及び区域に隣接し又はそれらの近傍の土地、領水及び空間において、関係法令の範囲内で必要な措置を執るものとする。合衆国も、また、合同委員会を通ずる両政府間の協議の上で前記の目的のため必要な措置を執ることができる。


これを読む限り、合衆国には区域のほぼ全権が与えられている、と言えよう。
区域の「設定、運営、警護、管理のため必要な全ての措置」が認められている。また「合衆国軍隊の要請があったとき」は、両国政府間協議の上「土地、領水、空間」において関係法令の範囲内で日本政府が必要な措置を執る、とされている。


海保が海上で逮捕権発動をしようとしたのは、「領水」における関係法令=刑事特別法が適用できると官邸筋(防衛省筋?)から指示された為であろう。従米派官僚の先走りとしか思えないわけだが。

ただ在日米軍〜合同委員会・米側代表が「要請をしなかった」可能性は考えられる。「自分たちには責任がない(=やれ、とは言ってない)」という言い逃れをする為かもしれない。それとも具体的方法を考えたのが従米派官僚で、率先してお先棒担ぎをやったからなのかもしれない。


そうではあっても、合衆国軍隊が一切の義務から解放されているかのような言い分は間違いである。「アメリカさまが言うから」とか「アメリカさまには日本の法律は通じない」とか「アメリカさま相手の外交・国防上の秘密だから無理」といったことにはならないんだよ。


第三条1項の措置は、無条件なんかじゃない。
2項及び3項により制限があるのだ。


合衆国は、1に定める措置を、日本国の領域への、領域からの又は領域内の航海、航空、通信又は陸上交通を不必要に妨げるような方法によつては執らないことに同意する。合衆国が使用する電波放射の装置が用いる周波数、電力及びこれらに類する事項に関するすべての問題は、両政府の当局間の取極により解決しなければならない。日本国政府は、合衆国軍隊が必要とする電気通信用電子装置に対する妨害を防止し又は除去するためのすべての合理的な措置を関係法令の範囲内で執るものとする。

合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は、公共の安全に妥当な考慮を払つて行なわなければならない。


2項により領域からの又は領域内の航海を不必要に妨げるような方法によつては執らないのである。更に、3項により米軍が使用している区域における作業は、公共の安全に妥当な考慮を払って行わなければならないとなっているではないか。注意義務や方法の制限は米軍側にこそ課せられている、ということだ。


それを、海保のやつらは何だ。無法とは、貴様らの方だ。



長々と書いてしまったが、まとめると次の通り。


◆日本側の問題
・水域の所有権者でない政府による米軍への提供は違法で無効
・常時立入制限区域(水域)の設定は根拠(国内)法がなく無効
・「5.15メモ」の日米合同委員会合意事項に自己矛盾する可能性


◆合衆国側の問題
・区域提供を受けた合衆国が住民利益を無視するのは合衆国憲法に反する
・米軍(合衆国)は提供水域の立入制限を無条件に義務付ける法的権限を有しない
・区域管理責任主体として注意義務を怠っている
(たとえ区域提供が日本の法令違反で無効であるとしても、だ)



日米両政府のやっていることは、どちらにせよ違法なんだろうよ。
お前らにある唯一の言い分は、「俺らの暴力が勝つ」ということだけだ。それが無法国家の証なんだよ。