これも既に出された話ではあるが。
>http://b.hatena.ne.jp/entry/www.tachibana-akira.com/2011/12/3569
マイクロファイナンスは、有効な場面というものはあると思うが、必ずしもそれで様々な問題が解決できるようになるわけでもない、ということはあるのでは。
日本の生活保護世帯に金を貸して、五人組連帯債務保証を付けて、事業を始めさせれば自立して生活ができるようになる、とでも言うつもりなんだろうか(笑)。
だったら、早速やってみな。
一般人が思いつく程度のことが、専業の金貸し商売の人達ができないとでも思っているのだろうか。
バングラディッシュでは可能なことであっても、日本で有効であるとは限らないでしょうな。
自営業が大幅に減少した理由を考えたことはないのか?(笑)
05年12月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/2695f21760b1199951e3ab07193fc42b
(再掲)
『正規雇用は1412万人から1325万人と87万人減少する一方で、非正規雇用は261万人から563万人と302万人の大幅増となっています。年々新卒者の非正規雇用の割合が高くなっていけば、若年層全体の非正規雇用者の増加ということになり、高卒者への求人の大幅減少もこれと関係しているかもしれません。それと、自営業者ですが、213万人から86万人と127万人も減少しています。家業を継ぐ人達の割合がかなり減少して、会社勤めを選好するようになっている、ということかもしれません。』
自分で事業をできて、自立できるというのなら、自営業者は減る理由というものはあるだろうか?
むしろ、零細や個人事業主の倒産は相次いできた、それは「非効率で市場から退出した(させられた)」ということなんじゃないですか?
資金調達できる先は、サラ金だろうとノンバンクだろうとあったわけで、「資金調達可能な環境下」であっても事業が成功するのは困難、ということがあるわな。そんなにうまみのある事業なら、キャッシュリッチな大手企業とかが参入してきてしまうから。
マイクロファイナンスがあれば、生活保護が減少させられる、なんて話は、土台無理なんでは。バングラディッシュなみの「労働力が余っているが資本が過小」という地域くらいでしか、効果が発揮されないかもしれないし。
そもそも橘氏はバングラディッシュのインフレ率を知ってるのだろうか?
マイクロファイナンスに関する問題点の指摘、というのも、随分と過去の話だわな。
07年8月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/3fa09ac7923f159617a0f8c2c531622d
10年12月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f560e120a8ad476c05303f2395075e57
5人組の連帯債務保証というのは、基本的に「破綻処理を認めない」というものであり、倒産(破綻)した場合のコストが非常に大きくなるようになっている、ということだな。金融の発達した先進国では、むしろ破綻処理コストが小さくなるようになっており(特に米英などがそうだ)、その方が効率的であるはずだろう。
資金(資本)のコストがとても低くなっているから、ということだろうと思うね。言い換えると、資金調達手段は様々ある、という意味。
なので、ベンチャー資金のようなものが代表的であろうと思うが、連帯保証なんか付けないんだよ。人的連帯保証を求める日本は、むしろ特殊なのでは?
まあいい。
単なる紹介、というレベルと、そこから一歩進んで制度なり政策的に考えるというレベルでは、全然違うから。解決できるかのような物言いをするのであれば、まずじっくり検討してみてからの方がいいんじゃないのか、とは思うわな。
「200年余の知の遺産」を鵜呑みにしているだけなんだろうけどさ。