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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

増税前にすべきこと〜その1

以前から百万回言ってきたように、まず、「目覚めなさい」だよ。

やるべきことの、いっちばーん最初は、これまでの自分を全て捨てるくらいの気持ちで、生まれかわったつもりになれということだ。無心になって物事を見よ、これまでの概念とか説明とか理屈はゼロベースにして、虚心坦懐でみよ、ということである。


過去20年に渡る失敗というのは、バカな霞が関にいとも簡単に言いくるめられて、説得されてしまう学識者だの著名人だのという人たちも、やっぱり更なるバカだったから、ということではないか。

過去20年間の実績というか結果は、明らかに出ているんですよ。
それは、みんな間違ってきた、だ。

政策担当者たちも、それを批判してきた人たちも、あることないことをあれこれ言う学者、解説者、有識者、等々、みなさんの失敗だった、ということ。


もう、加減に気付きましょうよ。原子力ムラ構造と一緒で、何らの反省がない、というのが、この財政再建問題なのですよ。
しかも、石頭たちは頑として失敗を認めようとしない。間違いを、間違いだったと認めず、他に原因を求め責任転嫁しているのだ。


1993年〜2012年に行われたこと、起こったことを、よく考えよ。
過去の実績は、97年に消費税を上げたが失敗だった、だ。財政再建には失敗した。

国民負担は、年々増大してきたのだよ。
税収増を図る為に、定率減税を廃止した。これは増税だ。配偶者控除もなくした。年金保険料は毎年引き上げとなった。健康保険料もどんどん上がった。介護保険料も上がった。雇用保険料も上げられた。社会保険の窓口負担は2割から3割に引き上げられた。高齢者の窓口負担も上げられたし、高額療養費の負担も上がったし、障害者の窓口負担なども軒並み上げられた。


消費税の税率こそ上がってこなかっただけ。
引き換えに、国民負担は毎年着実に上げられてきた、ということだ。


にも関わらず、財政は悪化を辿ってきた。債務残高は大きく増えた。民主党政権になってから、もっと酷い増加となった。
これらから分かることは、国民に負担を押し付けてきたが、それらは思ったような効果が得られることなく、財政を悪化させたというのが事実である。


財政収支では、最も効果を上げたのは、小泉政権下の最終末期〜安部政権にかけて、だった。国のプライマリーバランス赤字が最も縮小し黒字に近づいた。
改革の方向性としては、これまでの中で一番成績が良かったと見てよい。国債発行額を30兆円というキャップをかぶせるかどうかで与野党間でもめたが、今思えばかわいいもんだったな、ということになるわな。


独法改革などの道を開いたのも確かだ。道路公団もそうだった。霞が関改革の方向性としては、必要なものが多かったということ。これは今でも同じだ。


ただ、失敗の面があったのは確かだ。
それは、デフレを抜けきらぬうちに、国民への過度の負担増を強いたことになってしまったからだ。さらに、雇用・労働政策面での緩和がかなり進んだ為に、結果として賃金抑制を招くことになってしまった。

実質成長率、潜在成長率とも、そこそこの数字が残されたが、外需の幸運のおかげであった部分はあった。


90年代から小泉政権時代にかけて、大きく変化したものがある。それは、企業貯蓄率である。法人税引き下げと非正規雇用拡大の恩恵を最大限に受けたのは、主として大企業であり、それら企業はキャッシュを増加させることになった。

つまり、家計は賃金低下+負担増でマイナスが続いたが、企業収益(=株主配当)は増加し企業貯蓄も増加した、というのが、これまでの実態だったということである。このことは、同時に「キャッシュリッチになった企業が、投資先がない」として金を持て余しているからこそ、「金利が下がってもメリットなんか全然ない」という企業が7割にも達するという結果が出たりするのです。


そういう企業に金を回すから投資されないのだ。
これを勤労者に回すべき、ということである。名目GDPは雇用者報酬が増加することによって、増大可能となるということだ。それは主に消費に回されるから、である。


90年代〜小泉政権下を振り返るなら、単なる増税と国民負担増では失敗に終わる可能性が高い。
けれど、方向性は惜しかった。


地方の財政収支は黒字化した。かなり厳しい削減が行われ、結果として国よりも早く健全化した。その痛みの代償は小さくはなかったが、収支だけは数字が良くなったということである。デフレ下でこうした改革を推進すると、デフレを抜け切れなくなるということなのかもしれない。

霞が関と周辺団体(独法や公益法人等)の改革は途半ばであったし、支出削減努力もすべきであることは確かだ。加えて、政府資産売却などを組み合わせて実施するのが、時間的猶予を確保することになるし、過度な収縮を緩和する効果を持つはずだ。中川秀直幹事長時代の改革推進は、間違ってはいなかった。


この20年で得られた最大の教訓は、デフレをどうにかすべき、名目成長率が最重要指標である、ということである。これの改善なくして、再建はない。
竹中平蔵が今でも言うように、世界中で増税をやって再建できた例は殆どなく、失敗に終わる、ということである。このことは、残念ながら正しい(笑)。支出抑制、歳出削減、行政のスリム化などの改革を実施しなければ、財政再建は程遠いということだ。


そして、この達成には、財務省だけがどうにかできるものではない、ということでもある。日銀と財務省が「チーム医療」と同じく、共通の目標に向かって認識を共有し協力する以外にはないのである。