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医薬品のネット販売に関する最高裁判決〜番外編

補足など、少し書いておく。
ケンコーコムの社長さん曰く、「ネット販売に反対しているのは、薬剤師くらい」だそうだが、そうとも限るまい。


当方が根本的に一番問題としているのは、最高裁はじめ裁判所のご都合主義的な姿勢についてである。彼らは、本件のように「条文に明示的に書いてない」と言って行政側敗訴としている一方で、過去には「明示的に書かれていないこと」なのに独善的屁理屈によって検察・行政側勝利という判断を出しているのだよ。

そうした、いい加減な態度、自分たちの都合最優先の態度、それが最も問題なんだ、と言っているわけだ。しかし、法曹関係者含め、法学関係の人々がそういうことを考えてもいない、そこに苛立ちを覚えるわけだ。


医師法違反で刑事罰が確定となったのは、医師法の何処にも禁止行為が明示的に書かれていなくとも、「医業に該当するので医師法違反」というこじつけの理屈を出してきて、過去数十年に渡り現場において行われていたことが違法認定され、全部できなくなってしまった。こうしたトンデモ判決は、高裁や最高裁レベルで生み出されてきたものであって、そこらの弁護士による出鱈目解説なんかではないのだ。検察の面子を保たんが為という愚かしい理由の為に「有罪確定」となったんだぞ。鑑定書の秘密漏示罪だってそうだ。鑑定依頼を受けた場合の業務は「医業」に該当する、なんて、どこにも書いてないだろ。どこの条文に書いているんだっての。


ところが、本件においては全くの正反対の判決をひねり出してきたわけだ。どうしてかと言えば、医薬品規制を「何がなんでも緩和させたい」連中がいるから、だ。それは誰かといえば、アメリカ式医療環境を生み出したい勢力だ、ということだろ。自らが薬物を選択し、自己責任原則で買え、というシステムそのものだ。いくら司法批判を行ってきても一切反省の色すら見せてこなかった最高裁が、なんで急に態度を180度変更したと思うか?
平成15年以前からの規制改革路線はどういう連中の考えだったか知らんのか?規制改革会議が「儲け話」を生み出したいが為に、どこぞの手先となってやっていたようなもんじゃないのか。


通知の取扱にしても、都合良く「通知にはこう書かれている」(=合法と認めている)と言ってみたり、「通知は法律ではないから法体系・解釈には影響を与えない」と言ってみたり、その時々で使い分けして詭弁の用にしているだけに過ぎない。過去に当方が指摘していたことを、今回に限っては悪用しているだけだろうに。要するに、日本の司法界というのは各裁判官個人の独自理論ばかりが横行しており、滅茶苦茶な体系となっている、ということが判るだけ。基本原則なんぞ判るわけがない。


それと、本件に関する一連の記事は、クソ弁護士なんぞに尋ねたりしたことなんかないぞ。当方がブログ記事に書いてきたことは、一度だって弁護士なんかに尋ねたり教えてもらったことなんかないぞ。自分の考えを書いてきただけだ。弁護士への信頼性なんぞ、とうの昔に消滅しているわ。最近でも、そう述べたではないか。
http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/05866f31577f2825e6b117905b1e29b7


そもそも弁護士に知り合いなんかいないし(笑)。それに、役立たずのクソ弁護士の間違った解説を聞かされるくらいなら、時間の無駄なので自分で考えて書いた方がマシ。だから、過去の裁判例なんかも自分で調べた範囲のものだけで書いているんだよ。誰かに聞いて教わったんじゃない。裁判官や法学の先生が知らない裁判例があるとすれば、それは彼らの調べ方が甘いか、ネットだけに頼るのが悪い、ということになるわな(以前説ブログでは、全ての裁判所で出した判決文を最高裁判決に倣ってネット上で公表せよ、と求めたが完全無視されたんだがな)。


そういうわけで、別に薬局経営がどうのとか薬剤師業界の賛否がどうのといったことで意見を言うものではないし、理由もなしに怒っている、ということなんかじゃないんですわ。司法の滅茶苦茶さが余りにも酷いから、だ。



東京高裁や最高裁判決の言うように、たとえ改正後の薬事法対応の施行規則(省令)が薬事法の委任範囲を超えていると判断され、そのことで省令159条の十四〜十七なんかが無効となったとしても、元々の薬事法37条1項の解釈として販売規制が無効となったかどうかは示されていないし、薬事法29条の二で遵守事項を設ける際に「郵便等販売」に制限を加えることは否定されてもいない。


従って、今後の厚労省の対応として、違法とされたいくつかの省令条文を削除するか変更するとしても、根拠条文を変更すれば済むというだけであるかもしれない。最高裁判決というのは、「インターネット販売」という販売方法そのものの当否については、何らの示唆も与えてはいない、ということを言っているわけだよ。



○旧薬事法 第二十五条 
医薬品の販売業の許可を分けて、次のとおりとする。
 一 一般販売業の許可
 二 薬種商販売業の許可
 三 配置販売業の許可
 四 特例販売業の許可


○旧薬事法 第二十七条
一般販売業の業務の管理については、第八条及び第九条の規定を準用する。 


旧法8条及び9条というのは、「薬局」に適用される基準であり、これを準用せよということは、「一般販売業」は許可の種類は違えど、実質的には薬局と同等という基準が課せられていたわけである。従って、改正薬事法上の「店舗販売業」が旧法上の「一般販売業」と同等であると看做せるわけではない、ということだ。
改正薬事法25条から、『一般用医薬品を店舗において販売し、または授与する業務』を行うものと定義されているからだ。


一般用医薬品第一類は、薬剤師固有の業務であって、排他性の認められた業務である。すなわち薬剤師業であることから、「販売を目的とする調剤」か、販売の前段階としての「調剤該当行為」を伴うものであろう、ということを言っているのである。


需要者が「おなかが痛い」と訴えて胃薬を希望した場合、それが病状と合致しているかどうかは、どうやって判定するか?
本来的には、外用薬が適切であるはずの所、H2ブロッカーを投与して一体何の意味があると思うか?儲け主義の「薬や」ならば、喜んで売ることだろう。たとえ需要者が間違っていても、売れればいいから、だな。恐らくネット販売では、そんなことを気遣ってくれるシステムになんかなっていないだろう。自己責任で売ればいいだけであり、ネット販売業者は「対面は必要ない」と言い切れるわけだから。


当然、最高裁判事もこうしたことを肯定する側にいて、需要者が間違うのは愚かだからであり、だから第一類販売もネットで十分と判断したので「需要があるのに禁止するのはおかしい」と判示しているわけだ。ろくでもない薬売りが、大儲けできるシステムに社会を変更したい、ということだろうな(笑)。
使用せずともよいものを、さも「体にはよさげ」な顔をして、不必要なものまで売りつけて、今後更には増えるだろう、健康を心配するけどあまりよく知らない高齢者たちなんかから金を合法的に巻き上げる仕組み作りが強化される、ということだろうな。


改正薬事法では、店舗販売業の規定が存在することによって、旧薬事法で言う薬局の「販売を目的とする調剤」は店舗販売業においては不可となるとしか思われず、本来的に調剤該当行為を必要(=薬剤師業)とするはずの一般用医薬品第一類を店舗販売業で販売すること自体が問題というふうにしか見えないわけだが。

この論点自体は、いくつかの省令無効の判断には関係ないだろう、ということを言っているわけだよ。



まあ、どうせ飲んだってクソの役にも立たないだろう、「毒にも薬にもならない」程度の怪しげな薬、じゃなかった、人体に大した影響を及ぼさない範疇に分類されてる薬を例えば風邪だの腹痛だのの時に服用したところで、どういった薬理作用・効果が期待できるのか、マジ不思議でたまらんわ。かなり長期間残っている家庭薬のようなものであると、経験論的な効果が存在しているのかもしれんが。
個人的には、そうした薬物を使いたいと思ったことは、全然ないわ。食って、安静にして寝てたら、殆どのものは治るわな。使う必然性が殆ど感じられない。どうでもいいようなものを売って儲けようという魂胆が、そもそも気に入らないんだよ。