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自衛隊法改正の口実〜邦人救出

マスコミの宣伝戦略は、誠に酷い。
安倍政権のちょうちん記事を連発しているかのようだ。


http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013012000221


自衛隊法を改正して、海外の邦人を救出できるように「武器も使用できるようにしよう」ということにしたいわけだ。これは、集団的自衛権という願望、自衛隊の完全軍隊化・軍事行動拡大路線の一環でしかないだろう。


安倍総理は昨晩テレビに出ていたようだが、法改正について前向きな発言をしていたようだ。当方からすると、全く見当外れとしか思えなかった。自衛隊の武器使用制限があるから、今回のような事件でも人質を救出できなかった、とでも思っているのだろうか。


アホだな。
じゃあ、武器使用が認められていて、邦人救出が法的に認められていたとしますか。すると、日本が自衛隊を派遣して、自衛隊の特殊部隊が突入してテログループを殲滅して、シュワちゃんよろしく敵をなぎ倒して、人質を救出できていた、と?


できるわけないだろ。
ならばお聞きしますが、米軍には特殊部隊は存在しないのですかね?英軍は?仏軍は?

いずれも海外派遣でき、武器使用もバンバンやっており、特殊部隊も持ってるではないですか。どうして彼らは、自国民が殺されるままにしており、特殊部隊で救出しなかったと思いますかね?


それは、法的に「できないから」だろう?
派遣する軍隊を有する国の法がどうだから、ということではないから、では?


国際法上で、そうした権限が認められているわけではないから、なんじゃないですか?
アルジェリアという主権国家があるのに、そこの警察権なんかを超越して、勝手に米軍だの自衛隊だのが作戦行動をとったりできないから、でしょう?


つまり、事件の発生国の政府が「自国部隊で制圧します」と言う以上、他国の軍隊はどうすることもできないわけですわな。今回でいえば、アルジェリア政府軍が突入する、という決定をして作戦実行することは、発生国での主権がその国家に存在する以上、阻止できないし自国軍は手出しできないし、基本的には傍観しているよりない、ということだ。


だから、世界最強の米軍といえども、攻撃機はヘリで攻撃したりはしてないじゃないの。主権国家がある限り、勝手に手出しなんかできないんだよ。


日本国内でビル立て篭もりなんかがあった場合、そのビルにアメリカ人が閉じ込められていると、いきなり米軍機がやってきて爆撃したり特殊部隊が突入して米国人救出作戦なんかを実行できると思うか?

主権侵害だろうに。
日本から特別の協力要請があれば別かもしれないが、そういう法的問題をクリアできないのに、自衛隊法だけ改正したって実質的に現地で邦人救出の軍事行動なんかは殆どできないだろう。


つまり、昨日の記事で書いたように、法改正をしたいが為に日本人殺害という事件が利用されている、ということなのだ。イラン・イラク戦争の時みたいな、トルコ機に乗って脱出したということがあったのは確かだが、国際法上の交戦規定に抵触するような行動をとることは不可能である。当事国になってしまうから。非合法活動を認めることを前提とするか、戦争当事国になることを受け入れて自衛隊を派遣できるようにするか、というようなことになる。



昔からあるのは、「自国民保護」とか「治安維持」というのは軍隊派遣・駐留の口実とされてきた、ということである。戦争の歴史とは、そういうものは珍しくはなかった、ということ。


自衛隊法を改正しましょう、というプロパガンダの裏にあるのは、自衛隊が戦争できるようにしたい、という願望だけである。