怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

米国の外貨準備高はいくらか

昨年書いた記事だが、当時の認識としては米国の外貨準備高は少ない、ということだった。
http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/2e99bddd6282664acfab6f75a79038d8


これと似たような水準の外貨準備高は他でも確認できる。
http://www.iti.or.jp/stat/4-014.pdf

こちらの資料でも、2010年時点で約1214億ドル、11年約1370億ドルなので、10年時点の数字(1354)から金準備140億ドルを除くとほぼ同じである(金を除く、ということになっているので)。


また、米国が上位10カ国に入っている、ということはなかったように思われる。
こんなの>http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK866901020100603



一方、世界銀行が出す数値では、次のようなランキング及び数字となっているようである。

http://10rank.blog.fc2.com/blog-entry-163.html


こちらでは、何と米国が上位で4位にランクされている。しかも、外貨準備高1300億ドルとかいう低水準ではなくて、その4倍もの約5373億ドルとなっている。

これは、誰が持っているのだろうか?
どうして、こんなに数字が違うのだろうか?
(世銀のことを信用できない理由、というのもお分かりかな?TPPでICSID提訴とかって話になれば、それはもう疑ってしまうのを防げないということだ)


要するに、「純金」の評価額をどのようにカウントするか、ということが違いになっている、ということなのだろう。しかし、外貨準備高がこんなに増加すると、経常収支とかの計算が変わってしまわないのだろうか?



以前、購買力平価なんかを勘繰った記事を書いた。

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/bb0575b55d715a44fa9b14075503cd88



アメリカの準備高が4倍にも増えた数字を出しているのは、世界銀行のデータということ。世銀がそうした役回りを担っているのでは、という勘繰りはこうして生まれるわけだよ。


金準備はもっと多いんだ、ということなんだろうけど、その純金8000トン超は、どこにあって、誰の持ち物なの?
見せてごらんよ。
準備通貨ではないとして、誰が持ってるのですかね?
それとも、FRBが持ってるの?
中銀保有なら、ドイツの説明と同じくアメリカの金保有高が記述されていても良さそうなのにね。


ニクソン・ショック前までの67年くらいで、既に「ドル防衛」と称して、金流出を何とか食い止めようとしていたわけでしょう?でも、半分以上が国外に流出してしまったわけで、交換停止になる時点では過半が失われていたはずですよね。仮に8000トン以上が残されているとして、日本が米国債を売りまくれば、米国の保有外貨は数百億ドルしか持ってないから、ドル暴落は回避できないだろう。もし金塊を売ってドル買い資金に充てるなら、それはそれでいい。金に交換できる。


上に挙げたロイター記事によると、『2000年以来6兆1500億ドル増加』ということで、世界の外貨準備も約4倍に増加したんだそうだ。2兆ドルくらいだったのが10年で8兆ドルになった、ということなのだから。その大半は、日本と中国が持たされているわけだが、両国で世界中の約半分だ。しかも、その殆どがドルなわけ。


つまりは、金欠病の米国は買いまくる為にドルを世界中にばら撒いた。その殆どを日本と中国に買わせた。ドルペッグの巨大産油国サウジは、原油価格引き上げで得た収入をドル買いに充てた。原油価格高騰がドル安と連動すると言われていたのは、そういうことなのだよ。

08年は、特にそういう年だったわけだ。金に詰まったアメリカは、ドルを刷って誤魔化そうとしたわけだ。資源価格が高騰したという触れ込みは、原油需給が頭打ちになってきていたにも関わらず、価格支配で原油価格を暴騰させた。ドルを吸収し続ける必要があったから、だ。


ドルの価値は、本当はずっと低くくても不思議ではないはずなのだ。
ただただ、ドルが決済通貨としての役割を持っている、というだけ。しかも、日中の獲得外貨がドルに偏るのも、米国が買えなくなる(大量消費しなくなる)と世界的に需要が後退するから、ということなのだ。

ユーロ危機を散々煽ってきたのは、ドル回帰を促す為だ。別な決済通貨創設機運が高まると、ドルは大幅な購買力低下を招くことになるからだ。アメリカは、過去数十年に渡る経常赤字継続と財政赤字で、どこにも払える金なんか残ってないんだよ。やってきたことは、ドルという紙を刷ってきた、ということだけ。それを新興国や日本、中国なんかに買わせてきた、というだけに過ぎない。


ドルは一体何の役に立つと思うか?
金塊を本当に持っているなら、ゴミ紙幣をばら撒かないで、金塊でよこせ。日本の持つ米国債を売り続ければ、大チャンスが訪れることになるだろう。

米国金利は上昇し、新たな借金は停止されることになる。
利払停止は、即デフォルトとなる。
いや、別に借換できる先があればいいんですよ。けど、借換するには、米国債の新発債を売りきらねばならないわけで。それを、安倍政権に買わせようという算段をして、今般の円安演出が行われてきたわけですよね?

だから、日本の通貨政策を批判するのを明確には行わなかったわけで。
まあ、ドル高を演出することに必死になる気持ちは分からないではないですが、本当に市場取引の結果であるなら、疑問点は尽きないですな。



財務省のバカどもが積み上げてきた1兆ドルもの外貨準備の大半は、ゴミ同然となってしまうだろう。それは、税金だ。80円で外為特会に40兆円の損失だったが、90円に戻れば、25兆円くらいには減るが、それでも大損失だ。ドルなんか買わされないで、ドイツ中銀みたいに金準備を増やせばよかったのだよ。今からでも遅くはないぞ。

日本の持つ米国債を今なら高値で売れるから、持ち高を減らせばいいんだよ。アメリカの国債金利が上昇しても、FRBが付いているから大丈夫だって(笑)。介入資金に投入された約14兆円の平均買いコストは、ドル円で80円くらいだろうから、今なら10円くらいの差益が得られる。といっても、1.5兆円くらいの利益を出したところで、過去の為替損26兆円に比べれば微々たるものだけどな。これを引いての二十五兆円の損失、ということだから。念の為。


いずれにせよ、アメリカは今世紀に入って以降、戦争支出の為に数兆ドルも供給した挙句、それは借金へと回っていった。債権国は日本や中国に代表される外貨準備のドルの持ち高を増やした国々であり、米国はその借金をばら撒いたお陰で一時の狂宴を繰り広げ、バブル謳歌をしたんだよ。


ツケを払ってもらう時がやってきたんだ、って言ってるんだよ。

リーマンショックの後、米国経済は持ち直した、とか何とか言って時間稼ぎをやっているわけだが、ここからは本格的にどん底に堕ちてもらえ。


卑劣なヤツらには、それ相応の代償を払ってもらう必要がある。