怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

池田信夫はAmazonで治療してもらえ

ふと目にしたので、いつものウソ吐き習性の抜けない池田信夫の出鱈目解説を見ることにしよう。


http://blogos.com/article/73200/

本当の争点は、そんなことではないのだ。たとえばAmazon.comで日本から睡眠薬も買える。海外では、処方薬をネットで買うのは当たり前だ。厚労省が本当に国民の健康を考えているなら、1類の薬は通関も禁止すべきだが、そういう話はまったく出ない。官僚にとって大事なのは国民の健康ではなく、薬剤師の参入障壁を守ることだからである。

大衆薬は、問題の始まりに過ぎない。きのうの記事にも追記したが、本丸は医師の処方する処方薬なのだ。次の図のように日本の大衆薬市場は6043億円で、薬全体の6%に過ぎない。これに対して処方薬の市場規模は合計9兆5600億円(薬価ベース)で、大衆薬の15倍である。これは薬価基準に守られているので競争がなく、安く仕入れると大きな利益が出る。

大衆薬のネット販売が認められると、その次は(世界で普通に行なわれているように)処方薬もネットで買えるようにしろ、という要求が出てくるだろう。そうすれば処方薬にも価格競争が起こり、薬価基準も市場の実勢に合わせて見直さざるをえない。それを防ぐことが、薬剤師や製薬業界や医師会の最大の関心事なのだ。

ここまで厚労省が粘る最大の理由も、現在の医療制度を守ることにある。ここで薬価に市場原理が導入されると、今の社会主義的な医療制度が崩壊するからだ。最高裁判例を役所が破る非常手段に出たのも、社会主義を守る砦となっている大衆薬の規制を守るためだ。

=======


こいつは、貸金業法改正の時にもウソを言ってた。今回も同様だ。一見すると、妥当なこともあるように思わせるが、彼のお得意の戦術である。「既得権を守らんが為」という厚生労働省(官僚)側が悪いんだ、という、問題のすり替えを行っているに過ぎない。


因みに、池田信夫は自分自身の投薬については全てAmazonで購入すべきである。受診するな。既得権を守るだけの存在である薬局も利用するな。


睡眠薬Amazonで購入できるのか?
知らなかったわ。池田信夫曰く、Amazon.com経由で輸入できるそうだから、やってみろよ。
麻薬及び向精神薬取締法」で規制薬物になっている場合には、個人であろうとも輸入はできない(別途法定された厚生局許可があれば可能なものもあるかもしれない)し、治療用途であることの立証を輸入者が行える必要があるので、自己判断での診断・購入は不可であろう。
多くの睡眠薬は、ほぼ規制薬物である。


池田信夫は貸金の上限金利が存在するのは日本だけ、というデマを公言していたが、あれと一緒だな。アメリカにだって規制薬物は存在している。フルニトラゼパムは単純所持であってでさえ逮捕されるぞ。ネットで何でもかんでも買えるわけでもなけりゃ輸入できるわけでもないんだよ。

じゃあ、個人輸入でゾピクロムを購入してみたら?
ノビーが言うから、どれどれと思ってネットで睡眠薬個人輸入とやらを検索してみたら、シンガポールから輸入できるということらしいんだな。これが20錠で2500円だそうで。1錠125円也〜。日本でのゾロ品だと10円以下の薬価みたい。ま、13倍くらい高い。ま、診断を受けるのに病院受診とかで、他の診察料とかかかってしまうから、一概には高低は言えないけど。


レモン市場の話を知らぬはずがないわな。貸金業法改正の時にも、そうした論点はあったわけで。不良業者が横行する市場では、優良業者が駆逐されるという逆選択が生じるわけだわ。

ネット販売の医薬品でも、ほぼ同様のことが想定される。
粗悪品などを売る業者が価格競争で勝利すると、優良品の供給業者が駆逐され、市場は不良業者ばかりになってしまう、ということだな。医薬品を使う側には効果判定ができず、不良品かどうかを見分ける能力(情報)もないからである。
具体的には、バイアグラのような薬品が良い例となるだろう。
製剤が不純物を多く含むかどうか、なんて外見上では判らない。なので粗悪品が安価に大量に流通することになる。服用者はその効果判定がどのようにできると思うか?(笑)
有効成分が本物の半分しかない、混ぜ物だったら?判るかね?


よく映画なんかで、ワルモノたちが麻薬の秘密工場みたいなのを作ってたりするだろう?あれで、「おおっ、これは上モノだな」とかナメて言うシーンなんかがあるよね。ああいう違法な精製工場でさえ、製品の純度というのが求められるわけだよ。上モノだと取引値は高いだろうし、流通担当のバイニンの取り分も増えるというものだ。「上モノ」と「マガイモノ」の判定ができないと、粗悪品を「上モノだ」と言って売りつけられても、バイニンには判らないということになるのだよ。


率先してレモン市場化させようという、経済学理論信奉者とくりゃ、もう大笑い。


購入者が自己判断で薬物を購入しようとしていても、病状(疾病)には不適当である場合もある。適応外(それとも薬物選択が不適切、禁忌例など)であることを知っていながら販売するのは、詐欺的行為だ。
「やせ薬」を希望している人に、本当は「やせ薬」を飲むことが不適切であると知っていながら、「やせる効果があります(ただし使用者個人の感想であり、個人差があります)」と謳って売りつけるような、詐欺的行為に似ている。よくある健康食品詐欺のようなものだ、ということ。


薬物というのは、あくまで一時しのぎ的なものが多く、特に一般人が自己判断で購入するようなものというのは、定常的に服用を継続するといった種類のものはほぼないだろう。それを購入者の希望ということで、漫然と売りつける行為そのものが不適当である、ということだ。購入者側の依存的態度や錯誤に乗じて儲けるという、まさしく悪徳貸金に匹敵するビジネスモデルである、ということだな。これが何ら規制されずともよい、ということは、到底容認できるものではない。


日本の薬物投与(販売)の規制緩和によって生じたものは、価格低下といった単純なものではなく、むしろ医療費に占める「薬剤」部門の費用増大だった。医薬分業が推進される以前よりも、薬剤費が増えてしまったということだな。調剤薬局の成長を見れば一目瞭然だろう。株式会社がそれを加速した面もある。
アメリカ人はメキシコあたりから薬を買えるからといって、家計に占める医療・保険費用の割合が低下したということはないぞ。むしろ逆だろうね。


薬価が市場実勢を全く反映してないかといえば、それは違うんだよ。
株式会社化した大手薬局チェーンなんかのお陰で、仕入れ価格低下圧力というのが強まるわけで。家電大手の安値仕入れなんかと似てるかも。薬価は低下するし、経年的に改定されてゆく。
そもそもアメリカの製薬会社あたりは「日本の価格低下はおかしい」と、ずっと文句を言ってきていたのを知らんのか?アメリカの製薬会社の強い要望は、「価格を下げるな」だ、ボケが。薬価改定の権限をアメリカ人にもよこせ、という話をしてたんじゃないの。池田信夫の愚かさが露呈してるな。


TPPはその一手段に過ぎない。
知財保護という名目で、「新薬」という知的財産権を強く保護せよ=価格下落を許さない、ということなんだよ。同時に、ジェネリック切替期限を延ばせ、だろ。特許期間延長とは、価格低下を妨げる為の「独占市場」保護だっての。経済学の屁理屈を述べる割に、「死荷重」保護を強化するTPPを推進しようというのだから、脳みそを見てみたいわ。


まあいい。
池田信夫は今後一切、医薬品投与を病院または薬局では受けるべきではない。「アマゾンドットコム」とやらで、自分で購入すべきである。それともインドかイスラエルアイルランドか、他のどこか知らんけど、ネットで買え。良かったな、格安で薬が手に入って(笑)。